かんのむしLab.

日本独自の文化

戦国時代に描かれた医学書「鍼聞書」/九州国立博物館蔵
日本には「虫の知らせ」「虫の居所が悪い」「泣き虫」など「虫」を使った表現が多く、ウイルスや細菌の存在を知らなかった昔の人は、「虫」が体内にいることで子どもの癇癪から大人の腹痛などのさまざまな疾病がもたらされると考えていました。 今から400年以上前、戦国時代に描かれた、鍼聞書という医学書には虫がたくさん描かれています。

大酒の虫

肺虫

ぎょう虫

ひのじゅ

和をもたらす先人の知恵

例えば「大酒の虫」なる虫もいるそうです。大酒飲みの人が亡くなると腹の中からでてくるといいます。「うちの旦那は大酒飲みでロクデナシだったのは、この虫のせいだったんだね」という「むしのしわざ」で和む話になります。「むしのしわざ」にすることで、もっと豊かな社会にできないか。

子どもが泣き止まないのは、虫のせい。あの子の癇癪が治まらないのは、虫のせい。虫を憎んで人を憎まず。

人格を否定するのではなく、その人に潜む「むしのしわざ」にすることで朗らかになるという昔の日本人の知恵だったのではないでしょうか。

子育ての悩みを
「むしのしわざ」 にすると

「疳のむし」という言葉があるように、日本では昔から理解できない子どもの行動を「虫」たちのしわざと考えてきました。
子どもがわけもなく泣き叫ぶ、落ち着かない。実は昔からよくあることです。
いま子育てに悩んでいたら、「疳のむし」が騒ぎ出したなと考えてみてはいかがですか。昔ながらのやり方でむしと付き合うことで、安心感が生まれ、子どもを見守るゆとりができるかもしれません。
「むしのしわざ」という客観視の考え方を
普及啓発していきます。

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子育てに悩む人たちに、
敷居の低い相談窓口をつくります。
社会福祉法人しんまち元気村が相談窓口を開設しました。山名八幡宮の境内に位置する児童発達支援事業所「山名ベース」の2階で、元学校教員や保育士に気軽に育児相談ができるスペースを運営しています。
その子に合った解決方法を提案して、
必要な支援につなげます。
「むしのしわざプロジェクト」の取組みがKIDS DESIGN AWARD2020の「子どもを産み育てやすい」部門で、審査委員長特別賞を受賞しました。

特定非営利活動法人キッズデザイン協議会が主催し、経済産業省、内閣府、消費者庁が後援をしています。子どもの安全・安心と健やかな成長発達に役立つ優れた製品・空間・サービス・研究活動などを表彰しています。